冒頭に登場した吉田さんはエクオールができない体質だったため、エクオールのサプリメントの服用を開始。関節痛を抑えるステロイド注射もあわせて行ったところ、関節の痛みが治まり、指もスムーズに動かせるようになったという。

「エクオールはサプリメントなので、患者さんには自身で薬局やインターネットで購入してもらっています。数社から出ているので、どれを選んでもいいですが、“1日10ミリグラムの服用”は厳守すること。量が少ないと効果が出ません」(同)

 また、すでに変形してしまった指にはエクオールは効かない。その場合、手術が必要になる。

 ヘバーデン結節には、関節を固定する手術、ブシャール結節には、シリコーンでできた人工関節に置き換える手術が行われることが多い。前者は5~10分で終了し、日帰りが可能。後者の人工関節を入れる手術は原則、1泊2日となる。母指CM関節症では、関節を固定するか、新しい関節を作る手術を行う。こちらも基本、1泊2日だ。

 平瀬医師に術後の指の写真を見せてもらったが、指の曲がりだけでなく、関節のゴツゴツした感じもなくなり、逆にスッとした若々しい指になっていた。

「指の変形は使いすぎでも、年のせいでもありませんし、治らないこともありません。早期ならエクオールで進行を予防し、変形が進んだら手術を考える。状況によって対応を変えることが大切です」(同)

 ちなみに、指の変形は体質が関係することもわかっている。親の手の指が変形していたら、その体質を引き継いでいる可能性が高いので、少し意識したほうがいいかもしれない。また、婦人科系の病気などで治療をしている人は、エクオールを服用する際、一度、主治医に相談したほうがいい。(本誌・山内リカ)

週刊朝日  2020年9月11日号より抜粋