同じく、菅氏の素早い動きに行動を封じられたのは、河野太郎防衛相だ。河野氏が所属する麻生派の中堅議員は安倍首相の電撃辞任後、こう語っていた。
「河野氏は安倍首相の辞任会見の日、派閥の緊急会合に欠席。麻生氏も『大事なときになぜ来ない』と不満そうだった。麻生派は候補を出さない方針。行けば、出馬できないと思っているんじゃないか」
河野氏は29日の記者会見で「これからしっかり考えていきたい。仲間と相談したい」と出馬に意欲を見せていた。
だが、31日に麻生派が菅氏を支持する流れとなると、麻生氏は河野氏と会談。河野氏は出馬断念に追い込まれてしまった。
激しさを増す権力闘争。国民を置き去りにしたパワーゲームの中で、新たなリーダーが決まろうとしている。
(本誌・西岡千史、上田耕司/今西憲之)
※週刊朝日2020年9月11日号に加筆
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