同様の話は別の刑務所の受刑者からも聞かれる。神戸刑務所の男性受刑者によれば、支給されているのはアベノマスクではない布マスク。サイズはアベノマスクより少しだけ大きめという。前述の受刑者は手紙でこう訴える。

「何十人分かのマスクを、桶のようなものに入れて、洗っているようです。汚れは落ちていないので、きちんと洗えていないと感じます。自分で洗わせてもらえればよいのですが、禁じられています。逆にコロナに感染しなかと怖いです」

 近畿地方のある刑務所に勤務する、刑務官はこう話す。

「刑務所、拘置所は密にして収容者を統制、管理している場所。それをコロナ感染防止、密をやめろといっても限界があります。コロナ感染が出た拘置所や刑務所は、えらいことです。中でも、今、指定暴力団、六代目山口組と神戸山口組は抗争中。収容者を隔離するにも、抗争中の者は拘置所や刑務所でも不測の事態が予想される。コロナが出たある拘置所でも、六代目山口組や神戸山口組の幹部がいて、表ざたになってないが、小競り合いがあった。目に触れないように隔離するのが大変だった。うちの刑務所幹部もひやひやしています」
(本誌取材班)

※週刊朝日オンライン限定記事