異例の「無観客試合」という方式での試合は、選手にどういう影響を与えるのだろう。

「観客が作り出す雰囲気は格別なものですから、シーンと静まり返った会場での試合にギャップを感じることでしょう。でも大坂選手が以前話していた言葉を借りれば、『いざ試合に入ると試合に集中し、のめりこむのでコート外には目を向けない』。彼女はそんなタイプということです。選手一人ひとりがこういう状況下でも、実力を100%出しきってもらえたらと思います」(杉山さん)

 コロナ禍で開かれる国際大会。沢松さんはその意義について、こう指摘する。

 「コロナ禍で、世界中から選手が集まるという意味での大きなスポーツイベント。今回の全米OPが成功すれば、おそらく東京オリンピック・パラリンピックがどうあるべきかの指標になるでしょう」

 テニスの4大大会は、全豪以来、約7カ月ぶり。錦織選手の欠場は残念だが、出場する多くの日本人選手にも期待したい。
(本誌・大崎百紀)

※週刊朝日9月11日号に加筆