「とにかく無罪だと強調し『俺なんかよりもらっていた議員がいるんだ。裁判でどうなるかだ』と“爆弾証言”を示唆するような話までしていた。保釈されて国会に戻った後も無罪になれば、自民党に復党して、バリバリやりたいと7月に開催した政治資金パーティーの席でも豪語していた」

 自民党二階派の幹部はこうため息をつく。

「これまで野党はあまり言ってこなかったが、今回は辞職勧告を求めてくるでしょう。まあ、しょうがないわな。当然、閉じている国会を開けという話になってくるはず。今もうちの派閥に特別会員として秋元さんは席を置いているので困っている。9月8日まで二階俊博幹事長がその座を務めれば、田中角栄氏の記録を抜いて、幹事長在任日数、1498日で歴代トップとなる。おめでたいときにとんでもないことになった」

 捜査関係者によると、秋元容疑者は贈賄側を買収するために持参された資金の半分にあたる1千万円を自ら用意した疑いがあるという。だが、捜査にもコロナの影響が及んだという。
「佐藤容疑者が逮捕後、コロナに感染していることがわかり、一時、事情聴取が中断で大騒ぎでした」(同前)

(今西憲之)

週刊朝日  2020年9月4日号

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大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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