(左から)モスフードサービス会長・櫻田厚、旭酒造会長・桜井博志、漫画家・弘兼憲史(撮影/写真部・小黒冴夏)
(左から)モスフードサービス会長・櫻田厚、旭酒造会長・桜井博志、漫画家・弘兼憲史(撮影/写真部・小黒冴夏)
東京都品川区のモスフードサービス本社 (撮影/写真部・小黒冴夏)
東京都品川区のモスフードサービス本社 (撮影/写真部・小黒冴夏)

 コロナ禍での企業のかじ取りは? 「課長 島耕作」の弘兼憲史さんが、親交のある、人気日本酒「獺祭(だっさい)」の蔵元・旭酒造(山口県)の桜井博志会長、「モスバーガー」を展開するモスフードサービスの櫻田厚会長と、コロナ禍での経営を語る。

【写真】東京都品川区のモスフードサービス本社

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弘兼憲史さん(以下、弘兼):このコロナ禍、お二方とも飲食関係で大変ですよね。相当減りましたか?

桜井博志会長(以下、桜井):一時は減りました。2、3月にかけてまず輸出が半減して、その後かなり戻ってきたんですけど、3月後半から4月にかけては国内が半減状態に。国内はまだまだ前年比の100とかの数字ではないです。

弘兼:モスバーガー(以下、モス)はどうですか。テイクアウトができる業種というのは落ち込みは思ったほどではない?

櫻田厚会長(以下、櫻田):飲食業界は多分、一時期7割くらいは減っているのではないでしょうか? まだ全体的に戻っているという実感はないです。モスは、おかげさまで前年を割りませんでした。理由の一つは、店内飲食だけではないテイクアウトがあった。また、時代背景で、「ウーバーイーツ」とか「出前館」という宅配の機能を導入していた。あとは、値段が高いとか、提供に時間がかかるとかマイナス点もあるのでしょうが、こういう時に食べたいものの中で上位に入っていたことで、機能を含め選んでいただけたのかなと。

弘兼:テイクアウトとか宅配といった流通のある種の変化が、かなり助けているという。それは獺祭も共通していますよね。かつては、問屋さんに全部任せて、問屋さんが取り扱ってくれないと売れないぞ、みたいなところがあったけど、パソコンで自分たちで管理できるとなると、問屋を外しても十分やっていけるという流通革命ができた。

桜井:情報と物流。この二つが地域の業者でも動かせるようになってきた。ネットによって情報も個人で発信できるようになった。物流も宅配業者を通して、1~2箱から全国の酒屋さんに送れるようになった。これは大きかったですね。

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