コロナの影響で業績が下がる業界30【1位~10位】 (週刊朝日2020年8月28日号より)
コロナの影響で業績が下がる業界30【1位~10位】 (週刊朝日2020年8月28日号より)
コロナの影響で業績が下がる業界30【11位~30位】(週刊朝日2020年8月28日号より)
コロナの影響で業績が下がる業界30【11位~30位】(週刊朝日2020年8月28日号より)
コロナの影響で業績が上がる業界トップ10
<br />ゼノデータ・ラボ社の6月8日時点の分析情報をもとに作成。「総合スコア」は、各業界に属する企業の総合スコアを足し合わせた数字。業界間の企業数のばらつきを調整してある。「HD」はホールディングスの略 (週刊朝日2020年8月28日号より)
コロナの影響で業績が上がる業界トップ10

ゼノデータ・ラボ社の6月8日時点の分析情報をもとに作成。「総合スコア」は、各業界に属する企業の総合スコアを足し合わせた数字。業界間の企業数のばらつきを調整してある。「HD」はホールディングスの略 (週刊朝日2020年8月28日号より)

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 自社開発のAIを使って経済や企業の将来を予測するベンチャー、ゼノデータ・ラボ(以下はゼノ社)の分析でマイナスの影響が大きいと予想される業界をランキング化した。

 全上場企業を独自に63業種に分け、影響の大きい順に30業種を並べた。それぞれの業種に属する企業の総合スコアを足し合わせたもので、業種間の企業数によってばらつきが出ないように調整してある。

 大きな影響が予想されるのは、旅行会社やホテルなどの「観光・宿泊」や「外食」「百貨店」だ。4月の緊急事態宣言後、外出の自粛や時短営業を迫られ、文字どおり、「需要や顧客が蒸発した」(大手旅行会社)。宣言の解除後は徐々に顧客も戻り始めているものの、感染収束の見通しはつかず、コロナ前に業績を下支えしていた訪日外国人客(インバウンド)も低迷。厳しい状況は続いている。

 リゾートホテルを運営する鴨川グランドホテル(千葉県鴨川市)は、緊急事態宣言後に一時休業を余儀なくされ、4~6月期の売り上げは前年同期比で8割以上落ち込んだ。ただ、鈴木健史社長はこう語る。

「当社はまだ他社に比べていいほうではないか。もともと外国人客が少なかったこともあり、思ったよりも早く回復している印象です。8月は例年の9割ほどの水準まで客足が戻りました」

 ゼノ社が「経済の不況による需要減は4~6月期よりも7~9月期ごろに大きな影響が出る」と予測するのは、「自動車」や「自動車部品」だ。自動車メーカーの生産拠点や販売先は世界各地にまたがり、業績は米国やインド、ブラジルなど感染が落ち着かない地域にも左右される。

「AIで分析すると、コロナの影響は驚くほど広範囲に及んでいることがわかる。例えば在宅勤務が広がるだけで、オフィスの需要が減り、オフィスで使われる家具や複合機などOA機器のニーズも減少します。さらに外出の機会も減るので、紳士服や化粧品などさまざまな業界に影響が及びます」(ゼノ社の関社長)

 感染拡大が長引けば、業績への影響はさらに大きくなる。

「いま、求められている事業構造や体制の改革は、とにかくスピードが大事。予算も人材も、思い切ってメリハリをつける必要があります」(ローランド・ベルガー前会長の遠藤功さん)

(本誌・池田正史)

週刊朝日  2020年8月28日号より抜粋

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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