17位の弁護士ドットコムは、電子署名サービスの利用者が急増。国内シェアは8割を超えた。在宅勤務中でも、契約書や稟議書にハンコを押すためだけに出社を求められる会社は多かった。電子署名がハンコの代わりになれば、わざわざ通勤する手間も減る。

 33位(ツクイスタッフ)、34位(日本ケアサプライ)などにランクインしたのは、介護関連の企業だ。

「いま足りなくて困っているのは、モノではなく、介護、福祉などの良質なサービス。成長が見込めるのは、そんなサービスを提供できる企業です」(前出の窪田さん)

 巣ごもり消費をうまく捉えた会社も並んでいる。16位のクックパッドは外出自粛で、料理レシピサイトの利用者の大幅な増加が見込め、生鮮食品のネットスーパー事業も伸びている。6月にはローソンと提携し、展開先を今の東京、神奈川から千葉や埼玉などに広げると発表した。

 スマホで注文した生鮮品を、同社がドラッグストアやマンションの共用スペースなどに設置した宅配ボックスで手軽に受け取れるサービス。生鮮品は、農家や精肉店、鮮魚店といった「目利き」が選んだものばかり。在宅勤務の普及で自宅で料理する人が増え、こだわりの食材を求めている人が増えているという。

 22位の出前館は、20年8月期の第3四半期(19年9月~20年5月)決算で累計売上高が68億円と前年同期に比べて4割増えた。利用者は同28%増の約370万人、注文数は同25%増の約2605万件に上る。

「今後はイートインとテイクアウトやデリバリーを組み合わせた業態への変化が急速に進む。将来的にはデリバリーだけでなく、飲食店のサービスを網羅的にカバーする仕組みを作り、便利なサービスを提供したい」(同社広報担当者)

 20位のAimingや32位のガンホー・オンライン・エンターテイメントはスマホ向けのゲームを開発し、やはり巣ごもり消費が追い風になる。

 49位に入った、糸井重里さんが社長を務める「ほぼ日」は、自分のスタイルに合わせて使える主力商品の「ほぼ日手帳」など、雑貨を扱うオンラインショップが電子商取引の拡大で伸びると予測されている。

 医療分野でも、コロナをきっかけにオンライン診療の対象が広がるなどITの導入は進む。オンライン診療や遠隔医療の需要増につながると予測された18位のメドピアは、コロナを受けて医師や薬剤師向けの情報サイトに特設ページを開設するなど会員向けの情報提供サービスを強化した。

「医療機関への訪問が制限されている製薬会社の医薬情報担当者(MR)向けのオンラインプロモーションの需要が高まっており、当社も関連事業の拡大を見込んでいる」(同社)

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