──10周年を目前に、この新曲からジャニーズとユニバーサルミュージックが設立した新レーベルに移籍して新たなスタートを切ります。公式コメントでは「これまでの経験を糧にして、より一層“らしさ”とは何かを追求し発信していきたい」とありましたが、今のセクゾの「らしさ」とは？

佐藤：それを探すのは永遠のテーマですよね。ジャニーズでグループをもらった時点で、他のグループとは何が違うのかを考えなきゃいけなくなる。それを考え続けた10年ですけど……。

中島：だから、「らしさ」は、みんながみんな「考える人たち」ってことじゃない？　感覚に頼るんじゃなくて、ずっとどうやったらより高みを目指せるか考え続けてる。そういう意味ではホントに真面目なグループだと思う。

菊池：一方で、完璧じゃないところというか、未完成な部分も「らしさ」なんじゃないかなと僕は思いますけどね。デビューしてからずっと王道アイドルだって言われて、みんなも理想像を目指して努力してきたと思うけど、完璧な姿に近づくことが正解かというと、違う気もして。逆に言うと、チグハグだったり、未熟なところもあるのが俺らの魅力だし、それがある意味で完成形でもあるんじゃないかなって。人間としての未完成な部分もさらけ出していけたら、一つ上のステージにいける気がする。これはきっと、他のメンバーとは違う意見だと思うけど、俺は今、そう思ってますね。

中島：なるほどね。ただ、それは半々じゃない？　未完成な弱くてかっこ悪い部分をさらけ出すっていうものが求められる場面ももちろんあると思うんだけど、パフォーマンスにおいては完璧を目指していかなきゃいけないんじゃないかなとも思う。今、世間から支持されてるアイドルグループってみんな完璧だから。

マリウス：まぁだから……こうやって全員が真剣に考えながら、出す答えがバラバラなのも「らしさ」だと思う（笑）。僕としては「みんな頑張りすぎてない？　楽しい？　楽しいって感覚、大事だよ」みたいな感じで、バランスをとっていきたいですね。それは僕が一番年下で、みんなの背中を見てきたから思うことですけど。

佐藤：僕はもっとシンプルなことを考えたかな。それは、ファンの子が喜んでくれるかどうか。ライブをやっていると、僕らのパフォーマンスに対して、ものすごく大きな反応が返ってくる瞬間があるんです。そこに、ファンの人が求めるセクゾ「らしさ」があるんじゃないかな、と。ファンの子が楽しくて幸せで100％ポジティブになれる瞬間をこのグループで提供したい。その部分はこれからも大切にして、突き進んでいきたいですね。

（ライター・大道絵里子）

※週刊朝日 　2020年8月14日－21日合併号より抜粋