値段を聞くと、


「5千円だね」

 少し軽くて、材質がアフリカ産とは違う気がしたが、いいものはいい。結局言い値で買ったYさん、家に帰って調べると、2枚の板の合わせ目にクギが打ってあった。

「珍しいよな」

 ますます夢中になったYさんは、つなぎ目に薄く文字が書かれているのに気付いた。

「スワヒリ語かな」

 Yさんの興奮は高まった。ついに判読できた。それにはこう書かれていた。

「六年二組 □△ ○×」

 日本語であった。

■ 東大阪市犬好き物語 どうして獣医にTEL?

 東大阪市の女性カメラマンN子さん(38)は動物好き。特に犬が大好きで、よく犬のブローチをしている。通りすがりの犬にも、目で合図したり、笑いかけたり、手を振ったりする。そのわりに思いが通じないことがある。

 散歩をしていた12月初めの夕方のこと。向こうから、白の雑種らしい犬がやって来た。
 細い道である。いつものようにN子さん、犬に会釈した。それが気に食わなかったのか、犬はすれちがいざま、すばやく左フトモモに噛みついた。

 飼い主は謝り、犬の頭をしきりにたたいた。とはいえ、そう痛くはない。たいしたことはないと思い、家に帰った。

 ところが見ると、犬の歯形がしっかりついている。黒ずんでいて、出血もしている。N子さんはあわてた。タウンページを急いで繰って、偶然見つけた獣医のところへ電話を入れた。

「あのー、犬に噛まれてしまいまして、こんなことにはお詳しいでしょうからお電話さしあげました。マキロンを塗ったんでございますが、こんな治療でよろしいんでしょうか……」
 
獣医さんはやや困惑しつつも、丁寧に答えた。

「人間のお医者さんに診てもらったらどうでしょうか」

■ 「おお、どうしていつも!」 ディスタンス大説教少女<新作>

 7月初旬、都内の主婦Aさん(44)がスーパーに行ったとき。新型コロナウイルス感染拡大回避のため、少人数での買い物も推奨されるが、その日は週末ということもあってか、家族連れで店は賑わっていた。

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