かたや大臣マスクは、型紙不要。長方形の布を折りたたんで縫い、装着したときにたたんだ布を引っ張り出して、鼻を覆う。

「都知事マスクは、どんな布でも立体感が出せる。一方、大臣マスクは角が多く、顔をシャープに見せる。西村大臣がやっているようにワイシャツ地などで作ると、スーツの男性がつけても違和感がないね」

 とドンさん。今回マスク作りのために訪れた都内の生地店では、手作りマスクに向いた生地やゴムなどを集めたコーナーを設置。市井のマスクデザイナーたちで、大賑わいだったという。また夏休みを利用した断捨離のついでに、その人の好みが詰まっている手持ちの古着を、マスクにリフォームするのもいいとか。

 リフォームといえば、もうひとつ、手作りマスク派の隠れたトレンドがあった。アベノマスクをリメイクしてサイズが大きい別物にした、いわゆる「ベツノ(別の)マスク」だ。手間がかかるので、ブームには至らなかったが、介護施設などへの追加配布が実現すれば、今度こそ?(ライター・福光恵)

週刊朝日  2020年8月14日-21日合併号