検察の起訴状にある「買収リスト」には、河井被告夫妻の後援者も少なくない。その一人はこう困惑する。

「勝手に克行被告がカネを置いて帰って、何度も調べを受けるだけでも憤慨しておる。東京に来いと電話があったよ。広島の田舎もんで東京など何十年もいったことがない。誰がコロナのまん延する東京に好き好んで行くんだ。それもこれも、一番悪いのはカネをばらまいた河井被告夫妻だ」

 100日で1審判決を出そうとすれば、1日あたり4、5人を尋問してもそれだけで20日以上かかる。週に3,4回も法廷を開かなければ、間に合わない。そのため、検察側は東京での打ち合わせ、東京地裁の法廷での尋問という方針を変えることはないようだ。

「頼み込んで、お願いするしかありません」(捜査関係者)

(今西憲之)

※週刊朝日オンライン限定記事

著者プロフィールを見る
今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

今西憲之の記事一覧はこちら