さらに、変わらぬ組織体質もリアルだと指摘。

「前作では、昭和のサラリーマン像に古臭さを感じたが、7年経って、より停滞した日本の現実を見ていると、組織内で派閥抗争を繰り返す銀行員の姿と、今の政治状況が重なって見える」

 前出の吉田さんは、賀来賢人が演じる半沢の出向先である子会社の若手社員・森山雅弘の立ち位置にも目を向ける。

「半沢が飲みに誘っても森山はそっけない。何で飲みに行かなきゃいけないのか、という疑問をそのまま口にしてしまう。“バブル世代”のおじさんと若手との温度差も見どころ」

 時代は令和へと変わり、半沢はどう描かれるのか。続編への期待は大きい。(本誌・岩下明日香)

週刊朝日  2020年8月7日号