新型コロナがはやり始めた当初は、どういう病気かわからない分、緊張感がありました。50代の男性が検査を受けられず亡くなったというニュースを見て「自分もこうなるんじゃないか」と不安に思い、病気についてとにかく調べました。自覚症状が出た際の連絡先を控え、罹患(りかん)したときにスーパーに行かなくていいように、レトルトのおかゆやお水もまとめて購入しました。40代のときに虫垂がんという大病を患ったのですが、当時も治療法や病院についてとにかく調べたんです。そのときの経験も生かされましたね。

 感染症拡大のような未知の事態は、誰しも不安だと思います。でもその思いを因数分解し、一つひとつ対処策を考えたほうがいい。独身特有の不安を抱えることもあるでしょう。けれど、人って追い詰められると極端な決定に走ってしまいやすい。焦ってパートナーを求める前に一度立ち止まって、自分が本当はどうしたいのか考える時間を持ってほしいと思います。

(本誌・松岡瑛理)

週刊朝日  2020年7月31日号