五輪開催に赤信号…「ワクチン普及に課題」「選手の公平担保難しい」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

五輪開催に赤信号…「ワクチン普及に課題」「選手の公平担保難しい」

このエントリーをはてなブックマークに追加
亀井洋志週刊朝日#2020東京五輪
バッハIOC会長 (c)朝日新聞社

バッハIOC会長 (c)朝日新聞社

新型コロナウイルスの感染者数と死者数の累計 (週刊朝日2020年7月31日号より)

新型コロナウイルスの感染者数と死者数の累計 (週刊朝日2020年7月31日号より)

主な開発中の新型コロナウイルスワクチン(7月15日現在 週刊朝日2020年7月31日号より)

主な開発中の新型コロナウイルスワクチン(7月15日現在 週刊朝日2020年7月31日号より)

 新型コロナウイルス感染拡大で開幕が来年7月23日に延期された東京五輪は、拡大が止まらずに中止論が強まっている。肝心のワクチンは開発できてもすぐの普及は難しいと、医療関係者が相次いで指摘する。

【表】新型コロナウイルスの感染者数と死者数の累計はこちら

「大会の延期や中止を訴えた候補者たちへの支持はとても少なかった」

 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は7月17日、総会後のオンライン会見で、来夏開催を公約に掲げて東京都知事選で圧勝した小池百合子知事に触れ、新型コロナ感染拡大の中でも予定どおりに開催する方針を強調した。同日の組織委の会見でも、森喜朗会長は「五輪に対する期待がまだまだしっかりと定着している」と述べ、バッハ会長と歩調を合わせた。

 だが、両者とも感染拡大を止める有効策を示したわけではない。世界中で貧困層を中心に感染者は1400万人、死者は60万人を突破。東京五輪・パラリンピック開催の条件となるワクチンも開発段階のものばかりで、来夏に開催できると言える状況にはほど遠い。

 世界保健機関(WHO)が12~18カ月での実用化を目指すと発表するなど、早期の開発が可能であるかのような情報が流れる。安倍晋三首相も6月、ワクチン開発を進める米バイオ企業のモデルナと交渉していることを明かし、「すごく早ければ年末くらいに接種できるようになるかもしれない」などと語っている。

 モデルナのワクチンはメッセンジャーRNAの技術を用いたもので、初期段階の安全性検査で被験者45人全員の抗体の獲得に成功した。世界でも先頭を走るワクチンの一つだが、楽観は禁物だ。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師が釘を刺す。

「RNAワクチンで抗体ができることは想定どおりですが、それが感染を予防できるかはわかっていないのです。遺伝子工学が進んだことで、各国がRNAやDNAを用いたワクチン開発を行っていますが、まだ承認された事例はありません。しかも、第3相の大規模試験で有効性を証明するのは非常にハードルが高い。だから、エイズやエボラウイルスのワクチンはなかなか成功しないのです。今回も実用化にこぎつけるのは世界でも数社で、多くは失敗すると言われています」


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい