いくつものテントが張られたキャンプ場 (佐久間亮介さん提供)
いくつものテントが張られたキャンプ場 (佐久間亮介さん提供)
たき火の様子 (佐久間亮介さん提供)
たき火の様子 (佐久間亮介さん提供)

 新型コロナウイルスの感染が収まらないなか、人混みを避けたレジャーの一つとして「キャンプ」が注目されている。公共交通機関を使わずに車で移動し、自然を満喫できるためだ。施設や設備がととのったオートキャンプ場は、初心者にもやさしい。家族や友人らとだけではなく、一人で楽しむ“ソロキャンパー”も目立つという。

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 今春は“外出自粛”の影響を受けたものの、車やキャンピングカーで乗り付けられるオートキャンプ場は年々にぎわいが増している。日本オートキャンプ協会の推計では、2019年の参加人口は860万人に達したという。

「これまでゴールデンウィークや夏休みが中心でしたが、いまは秋や冬も多くなっています」

 協会の堺廣明さんは、キャンプのシーズンが一年を通して広がっていると指摘する。ひと昔前と違い、夏場の暑さや混雑を避けようとする人や、たき火を楽しもうとあえて寒い季節を選ぶ人もいる。「オール電化」でガスコンロのない家庭も目立つようになり、子どもに火を体験させたいといった事情もあるようだ。

 オートキャンプ場は、それぞれ決められたスペースに、車をとめてテントを張ることができる。100平方メートルもの広大なスペースも少なくない。料金は1家族で1泊すると、平均でおよそ4千円超。各スペースには、1日千円ほどで使える電源を備えるところもあり、携帯電話の充電や調理器具の使用にも困らない。キャンプ場は「不便さを楽しむ昔とは、違ってきている」(堺さん)。

 とくに近年は、一人でのソロキャンプが増える傾向だという。ソロキャンパーは、YouTubeで芸能人が楽しむ姿を見た若者や、子どもの手が離れた父親などが中心だ。家族連れの少ない平日に、こうしたソロやシニア層がキャンプ場を訪れるケースが増えている。

「心惹かれてキャンプを始め、自然のなかで心も体も解放されました。自然のなかにいると自分がちっぽけな存在に思え、東京の生活とは違う視点で物事が見えるようになりました」

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