「例えば会社でも、独身だと『あの人何で結婚してないの?』と思われている気がしてしまう。今思えば、既婚者という社会的な『ステータス』を求めていた部分もあったのかもしれません」

 コロナの感染拡大で、独身男女の結婚観は変わったのだろうか。婚活マッチングアプリ「Pairs」を運営するエウレカが、男女約2900人を対象とした調査結果を公表している。コロナ禍を通じ「結婚したい、家族が欲しいという気持ちが強まったか」との設問に対して、20~39歳の「交際相手が欲しい」グループのうち34%は「強まった」と回答。他方、「交際相手が欲しくない」グループで同じく「強まった」と答えたのは5%にとどまった。

 一方、国勢調査を見ると、昔と比べて未婚率の割合が大きくなっている。

『独身・無職者のリアル』(共著)などの著書がある社会学者の関水徹平氏(立正大学准教授)は、「自粛生活を通じ、単身生活者が自分と向き合う時間は以前に比べて明らかに増えた。自分が望むライフスタイルが、この機により明瞭になっているのではないか」と指摘する。

 かつて未婚にはネガティブなイメージがあったが、時代とともに価値観も変わっている。(本誌・松岡瑛理)

週刊朝日  2020年7月31日号より抜粋