今回の話はまれな事例かもしれないが、注意は必要だ。厚労省の担当者は銅食中毒について、下痢や吐き気、嘔吐などの症状が出ることがあると説明する。銅が溶け出すことを注意すべき酸性の飲料としてはスポーツドリンクの他、果汁飲料、乳酸菌飲料、ビタミンCやクエン酸を含んだものなどを挙げる。金属製の容器としてはやかんのほか、水筒なども対象になる。

「金属製の容器に酸性のものを入れる際には使用上の注意をよく読んでください。飲み物の側に注意が書いてあることもあります。容器の材質や、長く使って内側のコーティングが剥がれてしまっているなど、使い方によって問題が生じる場合があるので注意が必要です。」(厚労省の担当者)

 金属製の容器を使ったら日々、きちんと洗い、内側の傷や錆なども点検することが必要だという。

 日常の思いもよらぬところに危険は潜んでいるもの。“ドウ”ってことない、などと油断するなかれ。

(本誌・浅井秀樹)

※週刊朝日オンライン限定記事