やかんが「凶器」に変わった理由とは?水分補給で銅食中毒の恐怖 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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やかんが「凶器」に変わった理由とは?水分補給で銅食中毒の恐怖

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浅井秀樹週刊朝日

「ヤカンに入れたスポーツ飲料を飲んだことによる銅食中毒が発生しました」
 
 7月8日、ツイッター上にこんな警告が流れ、人々を驚かせた。
 
 ツイートの主は厚生労働省。大分県の高齢者福祉施設で発生した食中毒について、注意を促したのだ。

 大分県の担当者によると、“事件”は次のような経緯だったという。県内の高齢者福祉施設で7月6日、やかんに湯冷ましをした水を入れ、そこにスポーツドリンクの粉を溶かして入所者に飲んでもらった。熱中症対策の意味合いがあったようだ。ところが、これを飲んだ77~96才の男女13人に、吐き気や嘔吐という銅食中毒の症状が出た。不幸中の幸いだったのは、大量に摂取したわけでなかったこと。全員が軽症ですみ、その日のうちに帰宅することができた。
 
 このやかんはステンレス製で、水道水を煮沸するために10年近く使っていた。そもそも水道水には微量の銅イオンが含まれており、これが長期にわたってやかんの内部に黒ずみとなって付着していた。これを酸性のスポーツドリンクが溶かしてしまったようだ。大分県の担当者はこう話す。

「やかんの内部の上側は黒くなっているのに下側はピカピカになっていて、ちょうど、銅を洗浄してしまった格好です。黒ずみの部分が飲料に溶け込み、コップが色付きだっこともあり、わかりにくかったようです」
 
 銅が溶け込んだ飲料はエメラルドのような青っぽい色になるという。銅はミネラルとして命の必須元素で、水道水にも含まれているが、溶出量が1ppm以下という基準がある。この程度なら便や尿で体外に排出されるので問題がないというが、今回、やかんに入れた飲料は200ppmという高い濃度になっていた。
 
 大分県の担当者は、日本で過去10年に5件くらいの銅食中毒が起きていると話す。銅の容器が破損して溶け出した事例もあり、「容器の傷を確認しましょう」と注意を喚起している。
 


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