「ヤギの習性に詳しい方々から、いろんな捕獲方法の情報を提供していただいてます。たとえばヤギは群れて動く習性があるので、何匹かのヤギを擁壁に入れたら、そのヤギと一緒に戻ってくるのでは、とか」

 一方で、複雑な心境も吐露した。

「あの場所だとストレスがないんでしょうね。毛並みもうちにいたときよりツヤツヤしてます。線路に落ちることはまずないでしょうし、軌道内には草がないからあえて入り込むこともないでしょう。あの場所でひっそりと寿命をまっとうしてもらうのもいいんではないかなあと思います」

 取材を終え臼井駅に着いた記者。上りではなく下り電車に乗って佐倉駅方面に向かった。擁壁を通過するとき、ヤギは設置されていたハシゴを器用に下りるところだった。

(本誌・菊地武顕)

※週刊朝日オンライン限定記事