ビヨンドコロナを主導したのは、社会起業家の育成支援を目的に昨年、学内で立ち上がった「RIMIX(リミックス)」という組織です。立命館では社会課題の解決に向けた取り組みの支援に以前から力を入れています。今回のオンラインコミュニティー創設もその一つ。全く新しいことを立ち上げたという認識はなく、全てを地続きの活動として捉えています。

 もう一つ重視しているのが研究。6月末から、「Withコロナ社会 提案公募研究プログラム」を始動しました。感染症の予防・治療につながる医薬品研究、人々の生活様式や心理的変化に関する研究など、新型コロナ感染拡大後の社会を見据えた研究であれば、分野は問わない。採択された研究については、1件当たり50万~200万円単位での助成をします。

 コロナをはじめ、社会課題に取り組む上で、文理融合の視点は欠かせません。研究というと理工系のイメージが強いですが、「社会とは何か」「自由とは何か」といった問いを考える上では、人文社会系の研究も不可欠です。

 立命館大学は16学部を持つ総合大学ですが、「研究部」という部署があり、学部横断型の研究支援を進めています。分野を超えた研究連携体制を持つ私学独自の強みを生かしつつ、次世代型の研究大学として世界に認知される取り組みを推進していきたいと思います。(本誌・松岡瑛理)

週刊朝日  2020年7月24日号