「新型コロナの影響で採用が止まったり、オンラインでの面接が急に始まったりと、戸惑う学生も多かった。本学の強みは、現場の担当者が学生の相談に乗り、さらに学生のためにどういったイベントをやればいいか考えていること。それが今回の取り組みにつながった。他大学から『参考にしたい』と問い合わせが来ている」

 インターンシップ(就業体験)も、新型コロナの影響で実施が難しくなっている。インターンシップは、将来どういった職業につくか考える上で、重要な機会と位置付けられている。夏や冬の長期休みを活用して、参加する学生は多い。今年は募集を減らす企業や延期する企業が増えており、学生にとっては参加できるか不透明な状況だ。

 この状況下で追手門学院大(大阪府)が取り組もうとしているのが、オンラインのインターンシッププログラムだ。これまで関係のあった企業など250社以上に呼びかけ、25社・団体がプログラム開発の検討会に参加している。オンラインでできる商品企画のマーケティング調査などを考えているという。

「企業は新型コロナの対応に苦慮しており、インターンシップの受け入れをどうするかまで考える余裕はなくなっている。しかし、今の学生にとって、就業体験は成長の場として必要不可欠。大学側から働きかけて、機会を確保できるように取り組んでいる」(広報担当者)

 学びの質が保証されているのはどこか。今後の大学・学部の人気にも影響が出そうだ。(本誌・吉崎洋夫)

週刊朝日  2020年7月24日号より抜粋

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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