「学生に資料を読んでもらい、間に設問を挟むことで、しっかりと授業に参加してもらえるようになった。学生からチャットで気軽に質問が来るなど、円滑に授業ができている。またいつコロナが流行するかわからない。後期の授業もいかにオンラインを活用していこうか考えているところ」

 芝浦工業大ではこうしたリアルタイムでの授業のほか、学生が好きな時間に視聴できるオンデマンド型の授業や、グループディスカッションを取り入れた授業、自宅で講義を視聴して予習し、次の授業で演習を行う反転授業なども実施している。新しい教育の形を積極的に取り入れていくところだという。山田純工学部長はこう語る。

「ポストコロナの教育でオンラインは使えると見ている。これを機にいろいろと試してみようという機運が学内で強い。社会人向けの授業をつくるなど、大学も攻めの戦略を取れる。世界レベルで教育が根本から変わってくる可能性がある。この取り組みに遅れると、大学の序列にも影響すると思う」

 大学は就職活動でもオンラインでの対応に迫られている。企業がオンライン面接を導入するなど、就活生は前例のない就職活動を余儀なくされている。他方で、就職活動を支援する大学の施設は閉鎖されており、就活生は支援を受けられない状況にあった。

 そうした中で、明治大(東京都)はオンラインでの就職相談に取り組む。個別相談では週300人の枠を用意。Zoomを使い、エントリーシートの添削や模擬面接の実施など就活生の不安に応える体制を整える。

 また、オンラインでのグループ相談会も週1、2回開催。1回当たり最大500人が参加できる。就職活動のポイントを解説したり、チャットで寄せられた参加者からの質問に相談員が答えたりし、不安や疑問を解消していく。

 さらには時宜に合わせてイベントも開いている。最近では、まだ就活が終わっていない学生を対象に、これまでの面接のやり方を振り返る講座や、周りの面接を見ながら自己理解を深めることを目的としたグループ面接の練習会をZoomで開催した。小林宣子就職キャリア支援事務長は言う。

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