──子供のころに原作は読みましたか?

「『若草物語』との最初の出会いは90年代の映画(ウィノナ・ライダー主演、ジリアン・アームストロング監督作、1994年)だった。その後で原作を読んだ。4人の姉妹がそれぞれ異なるのは、偶然ではないと思うの。4人全員の中に自分との共通点を見つけることができる。人生の異なる時期において、異なる姉妹に共感できる。もし原作が今年出版されたとしても、違和感がないと思う。4人の姉妹と母、男友達との関係についての物語で、これが150年前に出版されたというのは本当に革命的だったと思う」

──日本では誰でも知っている名作なのですが、米国以外では意外に知られていないようです。

「そう、評価が足りないと思うわ。少女時代に原作を読んだとき、心の底で私は無意識に、自分の一部であるような感覚をうすうす感じていた。いままで自分が見たテレビドラマや本などを振り返ってみると、その多くは女性のグループが中心になった内容のものだった。自分が女性で、姉妹や女性同士の団結や絆を扱ったものに自然に興味をひかれたのだと思う。スクリーンで女性が一緒に行動したり、歌ったりするのを見るのは楽しい」

──本作は150年前の非常に限られた女性の権利や社会的地位の厳しい現実に触れています。同時に女性の地位が少しでも改善されたという証しでしょうか?

「この映画は当時いかに女性の状況が厳しかったかを物語るだけではないと思うの。確かに女性の地位は改善されたと思うけれど、理想的、最高とは言えない。改善されるべき余地はある。まだまだ闘いは続くと思う。この映画は、だから重要なんだと思う。女性のかわいらしさだけを語っているわけではない、女性を語った偉大な映画だわ。希望を与えてくれる。女性も男性も共感できると思う。人間として、お互いを尊重し合うことが大切だと言っている。ローリー、ジョー、エイミーは、お互いを尊重し合い高め合っている」

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