「二階氏は外交部会の決定に『何を言ってんだ』『わかってないぞ』と大荒れ、めちゃくちゃ怒っている。自身が安倍政権を支えていると自負しているが、外交部会の主要メンバーが首相に近いことが気に入らなかったよう。怒りに拍車がかかっている。その上、秋元被告に続き、案里被告も起訴され、『なぜ、うちの派閥だけこうなるんだ』と不快感を隠せないようです」と前出・自民党の幹部が解説する。

 岸田文雄政調会長や石破茂元幹事長ら「ポスト安倍」の面々と会食するなど、精力的に動き回る二階氏。

「夏の内閣改造で安倍首相に幹事長を代えられたら、石破氏をポスト安倍に担ぎ、総裁選で負けたら最悪、自民党を割って出るという選択肢も考えているようだ」(同幹部)

 しかし、力の源泉である「派閥」と、「中国」というカードが切れず、足元が揺らいでいるようだ。(今西憲之)

週刊朝日  2020年7月24日号

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大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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