「私がこの戯曲を読んで思ったことは、人の感情というのは、いつの時代も変わらないということです。人の心が動いている様が描かれているので、最後は、『人間とは?』というすごく本質的な問いを突きつけられる気がします。一人芝居ですが、人とは何か、命とは何かを覗いていく感覚は一緒だなと思います。もう一つ、この戯曲のすごいところは、人が、生きている間に感じる、おおよそ全ての感情が描かれていることです。誰かを愛しく思うこと、恥じらうこと、憎むことだけでなく、殺意が芽生えたり、人を蔑んだり、自分を蔑んだり。善とか悪とか、そんな単純に分けることのできない、あらゆる気持ちがそこにある」

 タイトルにある“ストリップショウ”というのも、杏さんが演じるダンサアの美沙(役名)の職業である“脱ぐ”という行為が、“心のストリップ”にもかけてある気がするのだとか。

「ホン(台本)が進むに連れて、一枚、また一枚と、美沙の本質がめくれていく感じがあります」

(菊地陽子、構成/長沢明)

週刊朝日  2020年7月17日号より抜粋