舞台「殺意 ストリップショウ」のための準備期間だったこともあるのだろうが、「新型コロナ感染症で生活が一変した」という実感はほとんどないという。

「ジョギングの時間を早めたぐらいで、あまり、生活も変わらなかった。もちろん、この2カ月は友達とも会えなかったけれど、元々頻繁に会うようなタイプではなかったし」

 ただ一つの懸案が、7月に上演予定の一人芝居の稽古が6月から始まること。延期や中止になる可能性もあったので、「どのタイミングでセリフを覚えようか」と、それだけは4月からずっと考えていた。

「そういうときに私って呑気なんです。役との巡り合わせも、人との巡り合わせもご縁なので、上演できるかできないかは、神のみぞ知る、と。今までもいろんなピンチに直面したけれど、後から思えば悪いことっていうのは起きていないし。結局、台本を手に取ってセリフを覚え始めたのは、5月になってから。ギリギリまでのんびり過ごしていましたね(笑)」

>>【後編/鈴木杏が一人芝居に挑戦 舞台「殺意」に感じたコロナ時代との共通点】へ続く

(菊地陽子、構成/長沢明)

週刊朝日  2020年7月17日号より抜粋