秋葉原で演説する山本太郎氏(撮影/西岡千史)
秋葉原で演説する山本太郎氏(撮影/西岡千史)
参議院議員の須藤元気氏(上田耕司撮影)
参議院議員の須藤元気氏(上田耕司撮影)

 立憲民主党に離党届を提出している須藤元気参院議員(42)が本誌に胸中を語った。7月5日投開票の東京都知事選では、元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)を応援する立憲民主党と、れいわ新選組代表の山本太郎氏(45)を応援する須藤氏との間で亀裂が生まれ、「離党騒ぎ」が勃発した。党はいまだ離党届を受理しておらず、慰留か処分かで判断が決まっていない。

 須藤氏が離党届を出すきっかけとなったのは、6月15日にTwitterで発した次のようなツイートだった。

<山本太郎さんが都知事選に立候補しました。立憲としては宇都宮さん支持ですが個人的に山本さんを応援しています!>

 ただちに党執行部から削除を命じられたが、須藤氏は拒否して逆らった。今もツイートは削除せずに残したままだ。

「私としてはツイートに『党としては宇都宮さん支持』と書き、フォローを入れたつもりだったんですけどね」(須藤氏)

 須藤氏は党執行部に対し、「国政ではないですし、いち都民として山本さんを応援したい」と進言したという。ツイート削除に応じなかったため、執行部からは「じゃあ、辞めてくれ」と言われたと証言する。

「その日の夜には別の幹部から電話があって、『削除しないんなら辞めてもらう』と、あらためて言われました。私が『離党すればいいんですね』と言ったら、『ダメだ、辞職しろ。議員バッチをはずせ』と厳しく言われまして、ツイート一つだけでそこまでになるのかという思いでした」

 須藤氏は6月17日、福山哲郎幹事長に離党届を提出。意志を貫きたいと、ツイートも削除せず、7月3日現在も残したままだ。

 須藤氏は6月17日夕の記者会見で、涙ながらにこう主張した。

「世代交代したいんですよ。もう、上の人たちには引退してもらいたいんですよ。消費税減税とかそういうことを言うなとか。何が言うなだよ、いいじゃないですか、言ったって」

 須藤氏の一連の動きの背景には、消費税引き下げに対する党の考え方との相違があった。国民、れいわ、共産は消費税5%で歩調を合わせるが、立憲は消費税引き下げに慎重で、須藤氏と考え方が違う。須藤氏は次のように思いを語った。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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「議席を返上すべき」という声への答えは