昨年の国・地域別対抗戦「プレミア12」ではブルペンでの投球映像が話題に。捕手役を務めたロッテ・田村龍弘が「カットボール、エグい」「どえらい、山本」と称賛。ツーシームについても、「左投手のカットボールみたい」とその軌道に衝撃を受けていた。投球を見守っていた稲葉篤紀監督も「うなっとる」、ソフトバンクの捕手・甲斐拓也も「真っスラ、魔球やな」と驚きを口にしていた。

 そのプレミア12ではセットアッパーとして侍ジャパンの初優勝に貢献。守護神を務めた山崎康晃、昨年最多勝、最高勝率、最多奪三振の「投手3冠」に輝き、ポスティングシステムで大リーグ・ブルージェイズに移籍した山口俊より、メジャー関係者の間では山本の評価が高かった。

 宮崎・都城高から16年秋のドラフト4位で入団。ドラフト1位の藤平尚真(楽天)、寺島成輝(ヤクルト)、今井達也(西武)ら高卒同期と比べて注目度は高くなかった。4年の月日を経て立場は逆転し、球界ナンバーワン投手も狙える立場になった。怖いのは故障だけ。今年はさらに飛躍しそうだ。(牧忠則)

週刊朝日  2020年7月10日号