オフィスが集まる東京・丸の内の朝 (c)朝日新聞社
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大手通信会社から格安SIMに乗り換える際のメリットとデメリット(『本当の自由を手に入れる お金の大学』より)
大手通信会社から格安SIMに乗り換える際のメリットとデメリット(『本当の自由を手に入れる お金の大学』より)

 コロナ禍のいま、ボーナス大幅減はもちろん昇給や昇格も望みにくくなっている。賃金が下がり続ける「給料大崩壊」の危機に負けないため、何をしたらいいのか。その術も学んでいこう。

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 東京都内の飲食店に勤める40代男性は、4月から5月半ばにかけて会社から休むように言われた。休業手当もなく収入がほぼゼロに。貯金も取り崩してしまい、首都圏の戸建て購入のために借りたローンが毎月5万円、年2回のボーナスで各30万円払わなければならない返済が、難しくなりつつある。

 コロナの影響を受けた企業などの対応に追われる城南信用金庫(東京都品川区)のもとにも、首都圏の企業や個人事業主、一般の会社員などから多くの相談が寄せられている。融資については、資金繰りが悪化した中小企業向けの独自サービス「城南エール」や、国や都道府県の制度融資などを扱ってきた。このうち城南エールは3月に取り扱いを開始してから、5月までの3カ月間で計99件、32億3800万円を提供したという。「返済方法や期間の見直しを含め、当初思っていた以上の相談や申し込みがあります」(同金庫)

 新型コロナの感染拡大では第2波、第3波への広がりも心配され、経済や業績への影響は長引きそうだ。地元の自治体や金融機関などの窓口に相談するのもいいが、その前に生活設計を見直し、自分たちで防衛できることはないだろうか。

 収入が減ると、まず頭に浮かぶのが、出費を抑えなければならないという思いだ。生活関連費はじっくりと見直してみたい。

 食費や日用品の支払いを抑えることは誰もが取り組みやすい。一方、契約を伴うものは、自分の利用実態に合う、最適なものを選ぶことが大切だ。

 とくに携帯電話やスマートフォンは、契約によって月々の料金がかなり違ってくる。「キャリア」と呼ばれ、自前の通信網を持つ大手通信会社ではなく、格安通信会社に乗り換えるだけでも、料金がかなり抑えられることがある。使い方にもよるが、月額で数千円程度、出費を抑えられることも少なくない。家族がいる場合は、一緒に大手から格安へ乗り換えると、その人数分の節約にもつながる。

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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