『家族無計画』などの著作を持つエッセイスト・紫原明子さんは、「新型コロナウイルスの流行後に起きた生活面の変化」をテーマにSNS上で調査をした。約150人から得られた回答には、前出の2人と同様に、物欲や働き方を見直したという内容のものが多く交じっていたという。

「コロナ前は社会が動くスピードが速く、短期間で効率的にアウトプットを出さなくてはいけない風潮が強くありました。緊急事態宣言の発令でそれまでの生活が強制的にストップしたことで、自分にとって何が一番幸せなのか、見つめ直す時間が持てた人は多かったのではないでしょうか」

 コロナ禍では負の面もたくさん浮き彫りになった。解雇や雇い止めの増加、経済格差の拡大、児童虐待や配偶者への暴力の急増、「自粛警察」……。だが、紫原さんは言う。

「全体として、アンケートはプラス面の回答が目立ちました。コロナの感染拡大による影響は、もちろん悪い面もありますが、良い面も注目されるようになるといいと思います」

(本誌・松岡瑛理)

週刊朝日  2020年7月3日号より抜粋