PCR検査キット (c)朝日新聞社
PCR検査キット (c)朝日新聞社
緊急事態宣言の解除のタイミングについて (週刊朝日2020年7月3日号より)
緊急事態宣言の解除のタイミングについて (週刊朝日2020年7月3日号より)
今の医療現場の状況 (週刊朝日2020年7月3日号より)
今の医療現場の状況 (週刊朝日2020年7月3日号より)

 本誌では4月に続き、すべての都道府県で緊急事態宣言が解除された(5月25日)後の6月上旬、全国の医師に緊急アンケート第2弾を実施。医師専用のコミュニティーサイトを運営するメドピア社の協力を得て、3日間で約1500人から回答を得た。前回と同様、回答した医師のほとんどは感染症の専門家ではなく、さまざまな回答が寄せられた。

【コロナ緊急アンケート】医師1500人に聞いた!今の医療現場の状況は?薬の効果は…

 まずは、緊急事態宣言の解除時期について。最後に宣言が解除された1都3県と北海道では、北海道や神奈川で解除の目安となる基準を一部、満たしていなかったが、「総合的判断」(専門家会議座長の脇田隆字国立感染症研究所長)で解除となった。

 そのためか、北海道と1都3県での解除のタイミングは、その他の(それぞれの医師が住む)地域に比べて、「早い」とする回答が多かった。理由は、「解除すると勘違いする人間が多い。慎重にしてほしかった」(神奈川・50代・一般内科)、「もう少し感染者の動向を見てから決めるべきだ。現に新たな流行がさっそく見られている」(石川・30代・内分泌科)など。

 他方、「新型コロナが恐ろしい感染症であるとは思えないので、国は宣言など出すべきではなかった」(千葉・50代・消化器内科)という回答もあった。

 医療現場の状況は、逼迫(ひっぱく)していた4~5月よりも「少し余裕が出てきた」という回答が多く、全体の半数ほど。新型コロナが流行する前の状態に近いとする回答も2割あった。

 入手が困難だったマスクや手指消毒用のアルコールに関しては、まだ半数近くが「足りていない」と回答。入手も困難だという。

 アルコールでは、こんな“事件”もあった。

 厚生労働省は3月、新型コロナ対策として、医療機関に手指消毒用エタノールの優先供給を実施した。ところが、「濃度が低い」「値段が高い」といった問題が発生した。そのいきさつを、埼玉県川越市の住宅街でクリニックを開業する、ゆきさだクリニックの行定英明院長(50代)が話す。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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