開幕戦の巨人戦の三回、先制本塁打を放った阪神の西勇(左)を「エアタッチ」で迎える矢野監督=6月19日(C)朝日新聞社
開幕戦の巨人戦の三回、先制本塁打を放った阪神の西勇(左)を「エアタッチ」で迎える矢野監督=6月19日(C)朝日新聞社

 新型コロナウイルス感染拡大で今季はシーズン120試合と例年より短縮された。スタートダッシュに出遅れると致命傷になる中、阪神は宿敵・巨人に手痛い開幕3連敗。巨人との開幕カードでは球団史上初の屈辱だった。矢野燿大監督の采配に早くも疑問の声が上がっている。

 投手陣はセ・リーグ屈指の安定感と評価され、昨オフにメジャー通算92本塁打のジャスティン・ボーア、韓国リーグで昨季打点王に輝いたジェリー・サンズの両外国人選手を獲得。来日2年目のジェフリー・マルテと結成する外国人クリーンアップで強力打線に生まれ変わり、優勝予想する野球解説者も多かった。

 ところが、サンズは6月の練習試合で打率1割7分4厘、1本塁打と調子が上がらず、開幕前にファーム降格。年俸2億7250万円(推定)と破格の条件で不動の4番を担うはずだったボーアも開幕2戦で無安打に終わると、3戦目は6番に降格。4番にマルテを据えたが、共に4タコと機能せず、1―7で大敗した。

 スポーツ紙デスクはこう分析する。

「巨人と阪神に大きな戦力差はありません。開幕3連戦で勝負を分けたのは監督の差でしょう。巨人の新外国人・サンチェスは開幕3戦目に先発して来日初白星を挙げましたが、オープン戦、練習試合と打ち込まれていました。能力を不安視する声が多かったのですが、原監督は本番を前に2軍に落とさずチャンスを与えました。一方で、矢野監督はサンズを開幕前に落とし、ボーアもたった2試合で4番から外しました。外国人は覚醒するまで、ある程度忍耐が必要です。ボーアは結果を気にするあまりスイングも小さくなっています。負けたのは仕方ないですが、負け方が悪い」

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