大麻汚染に揺れる大阪府警本部(c)朝日新聞社
大麻汚染に揺れる大阪府警本部(c)朝日新聞社

 大阪府警堺署の巡査が大麻を隠し持っていたとして逮捕された事件が組織的な広がりを見せている。堺署に勤務する巡査、蔵川涼太被告(22)を6月18日までに自宅で大麻を所持していたとして、大麻取締法違反(所持)で逮捕・起訴。その供述から、他の男性巡査3人も、大麻を使用していたことが発覚したのだ。

 きっかけは5月下旬だった。「蔵川被告が、署内で保険の勧誘をしている」と上司が聞き及んだことだった。

 そこで、蔵川被告に事情を聞き、その時にスマートフォンの提出を求めた。

「蔵川被告は、ごく普通にどうぞ見てくださいという感じで出してきた。特段、問題なかったが、その際に小袋に入った小さな植物のタネのようなものがあった。上司はなんだろうと思ったが、微量だったのでその時は本人に返した」(捜査関係者)

 だが、上司は小袋が気になって仕方なかったので、念のため府警本部に連絡。蔵川被告は呼び出しを受けた。その時に、大麻の使用と所持を認めたという。そして、府警が岸和田市の自宅を捜索すると、大麻が発見されたというのだ。

 その後、蔵川被告の携帯電話の履歴を解析すると、警察学校の同期だった3人の男性巡査が浮上。本部で追及したところ、大麻の使用を認める供述があったというのだ。

 蔵川被告は、2018年に大阪府警本部に採用され、翌年から堺署に配属され、交番勤務をしていたという。蔵川被告の同僚はこう語る。

「仕事はごく普通にやっていた。制服を脱ぐとヤンキーというか軽い感じがする男だ。どうも地元の岸和田では派手に遊んでいて、その交友関係から大麻を譲り受けたとの話が流れている。蔵川被告は、興味本位で大麻を吸うようになり、おもしろ半分で、同期生に勧めるようになったと聞いている」

 3人の巡査もすでに自宅待機で処分を待っているという。前出の捜査関係者がこう嘆く。

「蔵川被告も含めて、懲戒処分となるだろう。刑事事件として立件することもある。発覚する直前まで、大麻を使用していたようだ。取り締まる警察が、集団で大麻を使っていたなんて、本当に信じられない」

(本誌取材班)

※週刊朝日オンライン限定記事