「変わらぬ味」、実は変えていた! 神田神保町「最古のカレー」店の秘密 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

「変わらぬ味」、実は変えていた! 神田神保町「最古のカレー」店の秘密

このエントリーをはてなブックマークに追加
菊地武顕週刊朝日#グルメ#昭和な名店
スマトラカレー共栄堂/ポークカレーソース大盛り1180円(税込み)。カレーのメニューは他にビーフ、チキン、エビ、タンがあり、ソースの味はすべて異なる (撮影/写真部・掛祥葉子)

スマトラカレー共栄堂/ポークカレーソース大盛り1180円(税込み)。カレーのメニューは他にビーフ、チキン、エビ、タンがあり、ソースの味はすべて異なる (撮影/写真部・掛祥葉子)

1925年1月、マレー半島の密林での伊藤氏(前列左)

1925年1月、マレー半島の密林での伊藤氏(前列左)

宮川泰久さんと、消防職を辞し今年から働きだした息子の悠太さん スマトラカレー共栄堂 東京都千代田区神田神保町1-6 サンビルB1(営)11:00~19:45L.O.(休)日。祝に不定休あり (撮影/写真部・掛祥葉子)

宮川泰久さんと、消防職を辞し今年から働きだした息子の悠太さん スマトラカレー共栄堂 東京都千代田区神田神保町1-6 サンビルB1(営)11:00~19:45L.O.(休)日。祝に不定休あり (撮影/写真部・掛祥葉子)

 令和の時代に昭和の香りを残す名店を紹介する連載「昭和な名店」。今回は、東京・神田神保町の「スマトラカレー共栄堂」だ。

【写真】1925年1月、マレー半島の密林での伊藤氏

*  *  *
 近年は「カレーの街」として名高い東京・神田神保町だが、

「ここはあくまで本の街です。私たちは、そのおこぼれでやってこれただけです」

 謙虚に語るのは、同地最古のカレー店「スマトラカレー共栄堂」3代目店主・宮川泰久さん。

 創業は1924年。

「明治の末から大正時代にかけて、東南アジアで知見を広めた伊藤友治郎さんという方がいました。うちの初代・石原眞治は伊藤さんからカレーの作り方を教わり、日本人の口に合うようにアレンジして開業したんです」

 二十数種類の香辛料を1時間20分ほど炒めたうえで、形がなくなるまで野菜と肉を煮込んだブイヨンと合わせる。「口に入れると最初に野菜の甘さが、次に辛さが、その後でビターさが追ってきます」という独特のソースだ。

 実は記者は、この店に30年以上も通っている。取材日にも食べて「変わらぬ味」を堪能したが、

「味は変わっているんですよ(笑)。お客さんの舌は肥えていくでしょう。共栄堂らしさを守りつつも、おいしく変えていかないと。それでようやく『ああ、この味だ』と納得していただけるんです。カレーは子どもと同じですね。どう育てるか、悩んでばかりです」

(取材・文/本誌・菊地武顕)

「スマトラカレー共栄堂」東京都千代田区神田神保町1‐6サンビルB1/営業時間:11:00~19:45L.O./定休日:日。祝に不定休あり

週刊朝日  2020年6月26日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい