そもそも豊洲市場自体が、大規模業者以外を切り捨てる思想の上に建てられたとの指摘もある。都知事選に立候補を表明している弁護士の宇都宮健児氏が語る。

「豊洲市場は巨大な冷蔵庫のようなもので、そもそも仲卸業者が仕事をしやすい設計にはなっていません。いま、規制緩和して経済を活性化させようとの考え方が主流になってしまっています。物品を大量集積して大量販売していく拠点として市場を位置づけていこうという考え方からすれば、仲卸は邪魔な存在なのです。豊洲移転は仲卸を潰す政策だったともいえます」

 ことあるごとに「築地の食文化を生かす」などと言ってきた小池知事だが、それもパフォーマンスだったのか。

(本誌・亀井洋志)

※週刊朝日オンライン限定記事