その結果起こるのが“副腎疲労症候群”と呼ばれている諸症状。前述の疲れやだるさなどだ。上符医師のクリニックではDHEAの量を血液検査で測っているが、平均値の5分の1ぐらいしかない人もいるという。

 では、病的な副腎老化によるDHEAの減少を防ぐにはどうすればいいか。

「検査でDHEAの不足がわかれば、医薬品として取ることができますが、健康保険が使えません。ですから、まずは生活習慣の改善でDHEAの無駄遣いを減らすことが大切です」

 と上符医師。必要なのは、自分に合ったストレス解消法を見つけ、睡眠不足や運動不足にならないよう気をつけること。もちろん、たばこも×だ。

 加えて、取ったほうがよいのがコレステロールと抗酸化物質だという。

「コレステロールは体に悪いというイメージがありますが、実はホルモンの材料になる大事な栄養素。極端な食事制限でコレステロールが足りなくなると、当然ながらDHEAも減ってきます。コレステロールが含まれる肉や卵は控えずにしっかり取りましょう。また、抗酸化物質ではビタミンCがお薦めです」

 ビタミンCは野菜や果物に多く含まれているが、それだけでは足りないと感じたら、サプリメントで補ってもOK。常温の水で寝る前に取るのが効果的だという。

「DHEAが足りてくると体力がつき、肌や髪がつやつやしてきます。それは見た目の変化だけでなく、副腎も元気になった証拠です」

(本誌・山内リカ)

週刊朝日  2020年6月26日号