河井克行前法相(C)朝日新聞社
河井克行前法相(C)朝日新聞社
河井案里参院議員(C)朝日新聞社
河井案里参院議員(C)朝日新聞社

 昨年7月の参院選を巡って、広島の県議らに2000万円前後に上るカネをばらまき、公職選挙法違反(買収)疑惑の捜査が進んでいる河井案里参院議員と夫で前法相の克行衆院議員にXデーが迫っている。

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 すでに逮捕された克行氏の政策秘書だった高谷真介被告の初公判が6月12日、広島地裁で開かれたが、ウグイス嬢に法定金額の2倍の日当3万円を支払った公職選挙法(買収)には関与していないと否認。無罪だとして、争う姿勢をみせた。

 高谷被告の弁護士は検察側の証拠に対し、「(被告は)克行氏が案里氏の遊説に関与したと主張している。だが冒頭陳述では克行氏の関与について触れていない」と反論。

 検察側は「克行氏の選挙への関わり方は概括的に立証する」と述べ、まだ立件されていない克行氏の関与について激しい応酬が展開された。

 注目の河井夫妻の捜査を続けている広島地検と東京地検特捜部は、国会会期中での事件化は見送り、逮捕許諾請求はしない方針という。

 17日に国会が閉じられた後に時間を置かず、立件するのではないかとみられている。

「河井夫妻がばらまいた2千万円前後のカネの行方、河井夫妻と県議ら地方議員や後援者の携帯電話の通話内容は、ほぼ全容がつかめている。克行氏は細かく行動をメモをしており、そこに金額と思われる記載がある。カネのばらまきリストから、金額の大きいところを立件することになるだろう。まあ、数百万円という感じのところになるのではないか」(捜査関係者)

 広島地検はすでに本誌で既報した河井夫妻と広島県議の「重鎮」と呼ばれる大物県議との関係を狙っているものとみられる。

「すでにその大物県議の事情聴取は10回以上、行ったそうだ。自宅や事務所以外によく行く小料理屋、知人の税理士、親族の会社なども家宅捜索され、計算が合わないカネが出ているそうだ」(広島の自民党の地方議員)

 大物議員は元東京高検検事長だった弁護士と協議を重ね、Xデーに備えているという情報もある。

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弁護士が決まらないという難題