実兄から球団オーナー就任を批判された重光昭夫氏 (c)朝日新聞社
実兄から球団オーナー就任を批判された重光昭夫氏 (c)朝日新聞社

 6月19日に開幕を迎えるプロ野球。心待ちにするファンをよそに、千葉ロッテマリーンズの経営権をめぐり、オーナー一族の対立が再燃している。

 発端は今年1月。ロッテグループの創業者で、球団オーナーを長年務めてきた重光武雄氏が98歳で死去した。それを受けて3月、新オーナーにロッテグループの現会長で、武雄氏の次男である昭夫氏(65)が就いた。

 だが、昭夫氏は昨年10月、朴槿恵(パククネ)前韓国大統領の疑獄事件に関係して、韓国で執行猶予付き有罪判決が確定したばかり。一昨年2月には、一審で実刑判決を受けて、当時務めていた球団オーナー代行の職を辞任していた。にもかかわらず、有罪確定からわずか5カ月で、球団トップに返り咲いた。

 これに反発したのが、昭夫氏の実兄・宏之氏(66)だ。宏之氏は4月24日、日本野球機構(NPB)の斉藤惇コミッショナーに宛てて手紙を送付。本誌が入手したその手紙には、昭夫氏が球団オーナーに就任したことに<倫理ないし道義的責任の観点からも理解不能><日本プロ野球全体に対する社会的信用が毀損(きそん)される>などと書かれていた。

 本誌の取材に応じた宏之氏は、こう話す。

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