渋谷区の観光大使に就任したKABA.ちゃん(撮影/レスリー・キー)
渋谷区の観光大使に就任したKABA.ちゃん(撮影/レスリー・キー)

 タレントで振付師のKABA.ちゃんがこのほど、渋谷区観光協会(東京都)の観光大使に就任。取材に対し、「日本のどこよりも早く、ジェンダーについて向き合い取り組んでいるのが渋谷です。世界の渋谷ブランドの素晴らしさを、観光大使としてたくさん発信できるよう、楽しみながらがんばっていきたいと思います」と答えた。

 KABA.ちゃんは現在、渋谷を拠点に活動するヒールダンスチーム&プロジェクト「THAT‘S WHY!!」をプロデュースし、自らもパフォーマーとして活躍している。チームのテーマは「ダイバーシティーな社会」「ボーダーレス」だ。

 大使として起用されたことについて、ある芸能ジャーナリストはこう話す。

「性同一障害が認められ、性別適合手術をして戸籍上の性別と名前を変更した経緯があります。LGBTへの理解や尊重にも前向きな渋谷区の多様性(ダイバーシティー)の新たなアイコンとなる存在としてふさわしいということではないでしょうか」

 そんなKABA.ちゃんにとっての渋谷は、「遊びや学びなど流行の発信地であり、常に人が集まる退屈しない街」という。

 渋谷との「出会い」は18歳の時。九州から上京し、住み込みで働ける職場を探していたという。

「六本木や池袋など、色々なところに面接に行きましたが、空きのある寮がなかったり、人手が足りていると断られたり」

 ホテルを予約していた3日間はあっという間に過ぎ、二つのボストンバッグを持って向かったのが、当時、渋谷公園通りで人気だったディスコ「LA・SCALA(ラ・スカラ)」だった。

「『いつから働けるの?』と店長に言われ、『今日からできます!』と答えました」

 その後、ダンサーとして、振付師として活躍することになるKABA.ちゃんの原点ともいえる。

「今はディズニーストアなどになって面影もありませんが、その場所に行くと、当時、プロのダンサーとしてダンスでご飯を食べていくために一生懸命だったことを思い出します」

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