「こうやって何も考えない時間をあえて作るのです。もしも不安なことがわき上がってきても、浮かんだ考えを見つめず、脇に置いておく感覚ですね」

 入浴後は体を冷やさず、体温が徐々に下がってきたころ(入浴後1~2時間後)に布団へ入ろう。

「免疫力は総合的なものだと考えています。なかでも睡眠との関わりはすごく大事。質の高い睡眠のためにも、就寝前に入浴で体を温めてください」

 医学博士の伊藤要子さんは加温健康法を勧める。体に熱を加えることで増える「ヒートショックプロテイン(HSP)」というたんぱく質の研究をしており、40度なら20分、41度なら15分、42度なら10分の入浴で1.5~2度の体温上昇を目指すのがいいという。入浴後にはガウンやトレーナーなどを着用して10分から15分ほど体を保温し、大量の汗を出すことも提唱する。

 決して無理はせず、自分の体調に合わせながら、コロナに負けない心と体づくりを目指そう。(本誌・大崎百紀)

週刊朝日  2020年6月12日号