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「今年は難関国立大をはじめ、多くの国公立大がねらい目だったと思います」

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 こう話すのは駿台教育研究所進学情報事業部の石原賢一部長だ。今年の国立大の志願者数は約30万7千人で、前年比93%。志願倍率も昨年の4.2倍から3.9倍に下がった。公立大も同様の傾向で、志願者数は約13万2千人で前年比95%。倍率は6.3倍から6.0倍に下落した。

 背景にあるのは、来年、センター試験から移行する新テスト(大学入学共通テスト)への不安だ。問題の形式や質が一変し、新たな対策が必要になる。英語民間試験の活用や国語・数学の記述式問題の導入が見送られるなどの混乱も不安に拍車をかけた。浪人を避けたい受験生がAO・推薦入試の利用や私大だけの受験に切り替える等、国公立大の一般入試を避けたと見られる。

 また、センター試験は新テストを想定した問題が出題されるなど難易度が上がり、点数を思うように取れない受験生が続出。弱気の出願につながったようだ。石原部長はこう見る。

「来年の入試はさらに安全志向となるでしょう。新テストに対する不安に加え、新型コロナの影響で十分に受験勉強ができない不安も出ている。感染リスクの高い都市部を避けて、地元の大学に進学する傾向が強まることも考えられます」

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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