吉村洋文・大阪府知事(C)朝日新聞社
吉村洋文・大阪府知事(C)朝日新聞社

 大阪府高野連は6月6日、独自大会として「令和2年大阪府高等学校野球大会」開催を発表した。7月18日から8月10日までのトーナメント方式で無観客で行う。吉村洋文・大阪府知事の「ある提案」が功を奏した格好だ。

 吉村知事は5月29日に毎日放送の情報番組「ちちんぷいぷい&ミント!」に府庁からリモート出演。高校生の部活動の各種大会が中止となったことについて、新たな大阪大会の実現に向けて各団体に支援を含めて働きかけをしていることをこう明かした。

「もし、財政的な支援が必要であれば大阪府がやるということもやっています。会場も何とか確保する。最後の高校生の夢舞台を実現させてくれと団体にお願いしています。なかなかハードルは高いですが、僕自身は最後まで絶対諦めることなく、必ず実現させたいと思っています」

 そして、大阪大会だけでなく、近畿大会に枠組みが広がることにも言及。

「地元大会となると、それぞれの知事さんがいます。それが一つの塊となっていくのであれば、何とかその先の続きというものもできる範囲でできないかと考えています」

 とした上で、

阪神球場(甲子園)は兵庫県ですが、阪神のオーナーさんも高校生のためにこの球場は取ってあるんだと言っていることも報道で流れていました。大阪府からも阪神球団に対して、何とかその先の協力もしてもらえないだろうかと、実は今、働きかけをしている状況です」

 などと交渉していることを明かした。

「まずは大阪大会を何とか実現させる。いろんな夢舞台は大阪の子供たちだけじゃなく、全国の子供たちに共通していることなので、何とか感染症対策を取りながらできる範囲で大人も諦めずにやっていく。それが教育じゃないかなと思っています」

 こう言葉に力を込めていた。

 吉村知事のアイデアに対して、こう評価する声が上がっていた。

高校野球は近畿大会なら3、4日あれば開催できるし、感染のリスクを抑えられる。一人でも多くの高校生を救済できるならやるべきだと思う」

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甲子園は聖地との声が…