※写真はイメージです (GettyImages)
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つまようじ法の磨き方 (週刊朝日2020年6月5日号より)
つまようじ法の磨き方 (週刊朝日2020年6月5日号より)

 歯周病と虫歯は、脳卒中、心臓病、糖尿病などさまざまな病気のリスクを高める。これらを予防するためにも、日々の歯の健康管理は必須だ。歯科医が正しいブラッシング法を伝授する。

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 虫歯や歯周病を予防するには、どうすればよいのか。神奈川歯科大学大学院歯学研究科教授の山本龍生さんは言う。

「虫歯予防には、フッ素入りの歯磨き剤を使って、磨くことです。それに加えて、フッ素でのうがいもしましょう。歯周病予防には、『つまようじ法』というブラッシング法がお勧めです。専用の歯ブラシ(ブイセブン)で歯と歯の隙間をくまなく掃除できます」

 歯磨きをすると、出血するという人もいるだろう。それは歯周病のサインで、歯茎の上皮がぼろぼろになり、血管から血液が漏れている状態だ。

 こうなると歯磨きを避けたくなるものだが、山本さんはあえて歯茎に刺激を与えるようにと勧める。歯周病菌は歯周ポケットの中に入って毒素を出す。また、歯周病菌は血液の中の鉄分で増殖する。ブラッシングで上皮をきれいにして出血がなくなれば、歯周病菌や毒素はほとんどいなくなる。

「どのぐらいの力かというと、200グラムぐらい。プラスチックの消しゴムで鉛筆の文字を軽く消すぐらいの力です。1カ所10秒ぐらいで。そうすると、口の中全体は10分ぐらいかかります。私も夜は10分ぐらいかけて歯磨きして歯茎を活性化させています」

 そのためにも、正しいブラッシングが必要だ。

「歯ブラシは、小さくて毛束に隙間があるものを選びましょう。歯磨き剤は歯ブラシにべったりつけて。すすぎは2回まで。フッ素の効果を残すためです」

 口の中の環境は酸性に傾くと、歯の表面のエナメル質が溶けて虫歯ができやすくなる。山本さんの場合、朝食でオレンジジュースを飲むため、起床後はフッ素入りの歯磨き剤で軽く歯磨きをしているという。

 酸性といえば、黒酢やワインを飲む時も注意しよう。

「ワインをちびちび飲む人は先にフッ素入り歯磨き剤で軽く磨く。黒酢はストローで飲む。歯を守るという点では良いでしょうね」

(本誌・大崎百紀)

週刊朝日  2020年6月5日号より抜粋