ナンシー関さん
ナンシー関さん
林真理子さん
林真理子さん

 連載開始から25年。これまでさまざまなゲストを迎えた作家・林真理子さんの「マリコのゲストコレクション」。かつて週刊朝日でもコラムを連載していた消しゴム版画家・ナンシー関さんも登場(1995年12月29日号)。「ナンシーさんの文章読んで、芸能人のこと書くのをやめた」とマリコさんも敬愛のまなざし。と言いつつも、連日、テレビワイドショーのウォッチングを欠かさないマリコさんも、芸能ネタに関しては一家言あるそうで。二人の有名人トークは大いに盛り上がり──。

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林:ナンシーさんが書くイメージ、すごく的確ですけど、あれはどこから情報を仕入れているんですか?

ナンシー:あらためて考えてみると、ほとんどテレビの情報ですね。

林:編集者の人から業界のウワサ話を聞くという、ある種の情報のエリートじゃなくて、ほんとに一般の人と同じ情報しか持ってないわけですね。

ナンシー:テレビの制作側の人とかから裏話みたいなものを聞くこともあるんですけど、それは切り捨てちゃうっていうか、参考にしないですね。

林:私、テレビのワイドショー好きなんですけど、私の中に順列があって、こんな二流の女優をトップニュースにするなんて! って怒ったりするんです。そんなことないですか。

ナンシー:ありますよ。あと、ネタに入るか入らないかの攻防みたいなやつで、「大月みやこ誕生会」とか。不思議ですよね。東てる美の娘の運動会とか(笑)。

*中略* (以下、*)

林:今の芸能人って、自分たちは普通の人間だってアピールするじゃないですか。*やっぱり思考回路が全然違うなとうれしくなったりしません?

ナンシー:なりますね。*たまにつついてみたいなという感じの別世界が、私は郷ひろみなんですよ。

林:愛してるでしょ。愛が垣間見えますよ、昔の男という(笑)。

ナンシー:小学生の中学年ぐらいまで、ほんとに好きだったんです。部屋にポスター張ってたし。それとはまったく別の感じで今もすごい興味あって、「こんばんは、郷ひろみです」って挨拶するときどういう気持ちなんだろう? とか思うんですよ。

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