中園ミホさん(撮影/横関一浩)
中園ミホさん(撮影/横関一浩)

 開始から25年。作家・林真理子さんの連載「マリコのゲストコレクション」。歴代女性ゲストのお話から、「生き方を考える言葉」をセレクト。今回は、2005年6月3日号から、脚本家・中園ミホさんです。

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 最高視聴率34・2%を記録したドラマ「やまとなでしこ」をはじめ、人気ドラマを多数手掛ける中園ミホさん。ヒロインに本音を語らせたら日本一。恋愛体質で占師でもあり、そのうえ美貌の未婚の母である中園さんは、マリコさんいわく「魔性の女」。出身校も男性の趣味も同じというお二人は、飾らぬ本音トークに花が咲き──。

林:数字(視聴率)って、放送日の翌朝には出るらしいけど、中園さん、プロデューサーからのその電話をひたすら待ってるってホント?

中園:そうです。私は数字大好き人間なんですよ。もともと博打好きなんで、早く結果を知りたいと自然に目が覚めちゃうの。でも、(林さん原作、中園さん脚本のドラマ「anego」について)数字がこんなにとれたのは久しぶり。

林:「四柱推命で天中殺だからいいはず」とか言ってましたよね。普通は逆じゃないかと思うけど。

中園:ええ、4月は私の天中殺で。でも、数字だけはそういう時期のほうがいいんですよ。実はいつもドラマに入る前に出演者の生年月日を全部調べるんだけど、今回は悪い月まわりの人がたくさんいたので、これはちょっといいかも、と。視聴率って、作品の良しあしはもちろんだけど、ギャンブルの要素も強いんです。博打の運に近いというか。

(中略)

林:中園さんと初めて会ったのは『不機嫌な果実』のドラマ化のときだから、もう7、8年前よね。

中園:私、忘れもしない。小さいマンションを買って引っ越したときに書いてたんですけど、頭金払ったら、エアコンをつけるお金もなくなっちゃって、それでお会いしたばっかりの林さんに、「お財布ください」ってお願いしたんですよね。

林:そうそう。

中園:お金持ちからお財布をいただくとお金がたまると言われてるから、「使い古しでも何でもいいですから」ってお願いしたら、ドルチェ&ガッバーナのすごいお財布をいただいて、それからはガッポリ……。ガッポリは言いすぎかな(笑)。

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