飲酒をすると、アルコールは胃や小腸で吸収され、血液に溶け込んで全身をまわって肝臓へ運ばれる。これが酔う原因でもあり、その肝臓でアルコールが分解される。しかし酢酸菌をとっていると、肝臓に運ばれる前段階の胃や小腸で一部が分解され、二日酔い対策につながるというわけだ。

 酢酸菌の効能はまだある。キユーピーの実験では、アレルギーの改善効果が乳酸菌の10倍あったという。例えば、花粉症で鼻づまりに悩まされている場合、はなをかむ回数も酢酸菌をとると大幅に減った。ほこりやハウスダストなどによる鼻づまりの不快感を和らげることもわかり、アトピー性皮膚炎の改善も確認できたという。

 さらには、体臭予防の効果も期待される。加齢臭の主成分はノネナールというアルデヒドの一種だが、酢酸菌がこれを分解してくれるというのだ。

 管理栄養士の望月理恵子さんによると、酢酸菌を含む食品としては紅茶キノコのほか、にごり酢や黒酢、香酢、バルサミコ酢、ナタデココ、カスピ海ヨーグルトなどがある。自然発酵食品なので、酵母や乳酸菌と共存して、その発酵に酢酸菌がかかわっているという。

「お酒を飲む人にはタコのマリネにバルサミコ酢をかけるといい。私はワイン好きで、おつまみのチーズやレーズンにもかけて、ワインを飲んでいます」

 別の管理栄養士、松田真紀さんは、二日酔い対策につながるお酒のたのしみ方を教えてくれた。(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2020年5月29日号