アパレルアイの「洗えマスク」(同社提供)
アパレルアイの「洗えマスク」(同社提供)
マスクとハッカ油(撮影・秦正理)
マスクとハッカ油(撮影・秦正理)

 5月も後半となり、汗ばむ日も増えてきた。新型コロナウイルスを予防するマスク生活につらさを覚える人もいることだろう。来たる猛暑に向けて、通信販売サイトでは「接触冷感」や「吸水速乾」などの機能をうたうマスクが出始めている。

【写真】自家製マスクに欠かせないものとは?

 いまや生活の必需品となったマスクを求める声は多く、これまでマスクを製造したことのない企業も販売に乗り出している。

 レディースボトムの企画・販売を手がけるアパレルアイ(広島県福山市)もその一つ。何度でも洗って使える「洗えマスク」を4月17日から販売、約4万枚が即完売した。

 マスク開発のきっかけは、4月上旬に福山市に5千枚の子ども用マスクを寄付したことだ。

「本業のレディースボトムで使用する生地は、ストレッチがきいてよく伸びますので、マスクが作れそうだということで開発を始めました。その反響が大きく、販売してくれないかという声を多くいただきました」(アパレルアイの担当者)

 そのなかには「夏用のマスクを」という要望も目立ったという。「レディースパンツ用の冷感素材を取り扱っていたので、夏用マスクも開発し販売しています」(同)

 一般的な不織布のマスクとは異なり、速乾性が高く、汗をかいても肌に張りつきにくいのが魅力。ひんやりとした冷感も夏にはぴったりだ。同社のウェブサイトから、先着順で購入できる。

 20年以上にわたってマスクをつくってきた砂山靴下(東京都葛飾区)も、夏場の暑さやUV対策を踏まえた冷感が持続できるマスクを開発中。こちらも洗って繰り返し使えるもので、使い捨てないタイプだ。

「一番の魅力は、ミントとキシリトールを配合したものを染み込ませたことによる涼感です。着けている間は湿気がこもらず、鼻通りのいい涼感が持続します。7月中には出したいと考えています」(砂山靴下の担当者)

 2社はともにフル稼働でマスクを生産しているが、すぐに完売になるという。冷感マスクが手に入りにくい状態は続きそうだ。

 それならば、冷感マスクの“自作”も一考だ。使用するのはドラッグストアなどで売られているハッカ油。マスクに1滴たらすだけで清涼感が得られる。記者が実際に試してみると、香りや涼感の持続時間は1時間弱。買い物や散歩などの外出時にはちょうどいいかもしれない。ただ、たらし過ぎると、目に強い刺激などをもたらしてマスクを着けていられなくなることがある。妊娠中の女性や小さな子どもなどが使う際は、とくに注意が必要だ。

 まだまだマスクは手放せそうにないだけに、夏に向けて準備を進めたい。(秦正理)

※週刊朝日オンライン限定記

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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