「転職シーズンの3月ぐらいから利用者が増えています。(4月以降は)ちょっと下がってくると思っていたのですが、新型コロナの影響で増えました」

 やはり新型コロナが追い風になっているようだ。不正行為を助長しているのではないかとの批判には、悪びれる様子もなくこう答えた。

「結局は、その人が会社でどれだけ貢献できるかだと思っているので。(その会社に)行きたいのであれば、どんな手を使ってでも行きたいでしょうし、犯罪に触れない範囲で対策するのは、おかしなことではない」

 在宅WEBテストでは、受験開始前に本人であることを誓う項目にサインをしてから受験することが多い。法律的な問題はクリアしているのだろうか。

「特に問題はないと思っています。明らかにアウトであれば、WEBテスト代行業者は存在できないはずです。(裁判になれば)法律的に争った判例もないのでわかりませんが、需要があるから成り立っていますので。WEBテストは判断材料の一つであり、その後の面接で最終的な結論が出ますから」

 新型コロナの感染予防のために今後も在宅WEBテストが増えれば、試験の不正がさらに横行することが予想される。そうなると、真面目に試験を受けた学生が不利になる。正直者がバカを見るような社会にしないためにも、企業は公平性について慎重に考えてもらいたいものだ。(茂木響平)