例えば、小学校でも4年生を2回する留年をしてもいい。わかるまで学ぶ、深く理解する。そのためなら留年は恥ずかしいことではないのです。

 習得主義の方法の一つが「イエナプラン」です。イエナプランとはオランダで発展した教育法で、異なる年齢の子どもが一つのクラスで学ぶもの。すでに日本にも3学年で一つのクラスを構成したり、6学年を一緒にして授業をしたりする学校が出始めています。

 教育は大きな転換期を迎えている。今はみんなが矛盾や将来について真剣に考えていて、変革しやすい時期だとも思います。教育は未来への投資。そして子どもは未来から来た宝物なのです。今こそ、この難局をチャンスに変えることができるはずです。

(本誌・鮎川哲也)

週刊朝日  2020年5月22日号に加筆